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今成正和VSジェフ・グローバー戦に思う

 二日も空けてしまったのは久しぶりですね。すんません。
 土日は、いつものように格闘技取材。土曜日はもちろんテレビでもやってたK-1 MAX…ではなく、その裏でひっそりとやってたMARSという総合イベント。日曜日は後楽園のDEEPでした。
 好勝負、エキサイティングな試合もたくさんあったのですが、その中で印象に残ったのはDEEPで組まれた、今成正和VSジェフ・グローバーの一戦。12月にトーナメントで優勝してフェザー級王者になった今成と、柔術の大会で初来日して見事な動きを披露した(らしい、未見なもので)グローバーが激突するという、ある意味、今成への「ご褒美マッチ」とも言えるもの。
 何が印象的だったかって、この試合、いわゆる目に見える形での「攻防」がほとんどなかったんです。他の試合で派手な殴り合いが多かったこともあって、当然客席はじれて、野次の嵐となりました。その中で、誘うグローバー。誘いに乗らない今成。二人の体が触れ合っていた時間は10分(5分2R)のうちほんのわずかで、最後まで大きな展開はなく、ドロー。
 この試合、オレは見ていてメチャクチャ面白かった。攻防があるのかどうか、どこかで爆発するのかしないのか、誘いの狙い、その反応…いろんなことを考え(させられ)ながら見ているのはとても楽しく、だからこそ二人の指先でも触れ合おうものなら、「おっ!」となるという、まさに「シビれる」試合でした、オレにとっては。
 じれて、やじっていたお客さんの気持ちは分かります。「こっちは金払って見に来てるんだぞ!」「それでお金もらうの?」etc...。その気持ちは分かりますが、それ一色に染まってしまうのはどうか、と。今の格闘技では捨て身の打撃戦が特にもてはやされる状況なので、余計にそう思います。この試合のように、イマジネーションでお腹いっぱいになる一戦もあってもいいのではないか、と。たまにはそういう試合の見方もあるということを紹介するのも、雑誌なり記者なりの役目の一つではないか、とも思ったりしたのでした。
 オレは今成正和という選手が大好きなのですが、その理由の一つには、このようにイマジネーションをくすぐるような試合をしてくれることがあります。本人がこの一戦についてどう思っているかは(現時点で)知りませんが、この試合に対するオレの感想はそれによって変わることはないと思います。
 しかしおそらく、現状ではこの試合が大きく取り上げられることはないでしょう。殴り合い偏重に警鐘を鳴らし、残酷なもののみを求める観客に提言するような記事もよく見かけますが、その代わりになるような、いわば「代案」はなかなか目にしません。そういう視点のものもあってもいいと思い、珍しく(コラ)試合の感想を書いてみました。
by keizozozo | 2006-02-07 22:59 | 格闘技


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